医療事務資格は民間資格であり、公的なものではありません。もちろん資格を取得しなくても業務に就くことはできますので検定受験は必要不可欠なものとは言えない現状があります。しかし、業務は専門性が高く一般事務の仕事とは異なる特殊な技術が求められます。これらのスキルが身についていることを証明するために、医療事務の検定試験が存在しているのです。
診療で作成されたカルテ情報に従ってレセプト(診療報酬請求書)を作成する技術を覚えます。診療点数などに当てはめて、適切な請求ができるよう時間をかけずに作成することが大切です。健康保険組合などにもレセプトの情報が届くので、細やかな技術取得が必要となります。
医療機関はオンライン化が進んでいるので、パソコンのスキルは不可欠です。ワープロソフトでの文書作成のほか、医事コンピューターソフトの取り扱い方法なども学ぶとよいでしょう。業務で即戦力となるにはタッチタイピングの技術と文書作成技術は必須です。
医療事務の仕事では、患者とのコミュニケーションも求められます。その接遇方法のほか、個人情報を数多く扱うので、機密保持に関する対応などを学ぶ必要があります。このような倫理観を学ぶことで、医療機関で働くことの心構えを持つことが可能です。
レセプトの作成技術だけを習得しても、国の保険制度を理解しなければ本末転倒です。健康保険制度について学び、都度起こる法令改正などにも対応できるよう常に情報を収集する必要があります。医療機関の経営にも関わることですので、レセプト作成技術とセットで覚えましょう。